モータースポーツフォトグラファーの楽しみ三昧な写真人生を綴る。

j'sアーカイブス8 2010年07月05日

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 (クリックすると大きくなります。)

 オグリキャップが死んだという記事を4日の朝刊で知った。この日はヤマハセローの発売25周年の集いが御殿場郊外で行われるので、早朝から出かけることになっていた。そのため見出しのみ目を通し、記事は帰宅してから読んだ。
 家に戻るなり1990年の暮、有馬記念でオグリキヤップを撮影した事を思い出し、本棚から一冊の雑誌を取り出した。
そこには表紙の裏に三つ折りで綴じられたこの写真が、当時のまま保存されていた。20年も前の雑誌だ。

 私はオグリキヤップが、地方競馬から中央競馬(JRA)に転籍した88年ころから競馬の写真も撮影するようになった。それまでレース一筋、二輪四輪を対象にしていたのでさほど違和感はなかったが、国が認めた賭け事だけに移動できる範囲や行動に、かなりの制約があったのを覚えている。この写真も観客席から撮影した。

 当時国内のカメラメーカーから、オートフォーカスの一眼レフもすでに発売されていたが、第一世代のレベルで今程性能は良くなかった。つまり測距ポイントの数も少なく、動体予測機能も満足できるものではなく、ゴール前の競り合いでは迷う事なく置きピンで撮影していた。
 
 この写真は、1990年12月23日中山競馬場で開催された、有馬記念の第四コーナーのせめぎ合いだ。
大外から一気に抜け出すオグリキヤップと武豊のまさに千両役者同士が演じた、引退レースで復活優勝という花を咲かせたそのときの一コマ。(前列右。赤い袖のシャツで青いキヤップ)

 その時使用したカメラは、キヤノンEOS1、300ミリf2.8。フィルムはRDPを1絞り増感で1/250秒F4だった。
その頃はアンダーの写真がレース界では、幅を利かせていた。この写真も1絞り程アンダーで撮影した。

 メインレースは午後3時半過ぎになるが、なんせオグリキヤップの引退レースレースという事で、早朝から中山競馬場に続く道は、ひと人人であふれていた。
我々も朝9時には現着して、まっすぐに第四コーナーを見下ろせる位置をキープ。三脚を据えてアシスタントに場所取りを頼んだ。確かこのときの入場者が競馬界の最高数字ではなかったかと記憶しているが、定かではない。
 第10レースに組み込まれた有馬記念まであと1時間というころ、それまでのレースやパドックでの撮影を終え最終コーナーの撮影ポイントに向かったのだが、その移動がまた大変だったことを思い出す。
人をかき分けやっとの思いで三脚の所までたどり着き、そのままレースの始まりを待った。

 それまで晴れていた空に雲の気配がでてきた。それでなくても冬の午後3時過ぎ。あたりは薄暗くなりかけて、さらに中山の第四コーナーは逆光の上、木立が太陽光を遮る位置にある。それこそフィルムの選択やシャッタースピードなど、あれやこれやアタマの中で思案した記憶がある
KRを使いたいが、光量が足らない。スタート5分前になり、RDPの1絞り増感と決めて新たなフィルムをボディに入れた。

 スタートのファンファーレが聞こえ、まもなくしてゲートが開いた。スタートしたら今度は、この第四コーナーにどのような順位でオグリキヤップが入ってくるかが気になる。万が一後ろの方で写真に写らない位置では今回の企画は失敗だ。写真的にはそれでもその年の有馬記念の第四コーナーの記録写真だが、私にするとどの馬でも良いわけではない。なんせ武豊鞍上のオグリキヤップが、すべてのライバルをまくって第四コーナーをでてくる、その写真を撮りたいと言い出した張本人だ。

 一団が第三コーナーからこちらに向かう足音が、少しづつ大きくなってくる。やがて第四コーナー手前で見えたのは、逆光の中の黒い固まりだった。数秒もしないで大外に、ほかの馬より明るく見える馬がファインダーに入ってきた。芦毛のオグリキヤップだった。レースの撮影では、あまり使わない連射でシャッターを切ったのを覚えている。当時は今とは違って、その場で撮影状況を見る事は出来ない。フィルム現像が終わり手元に届くまで所在がなかった。その後、しばらくして私の競馬撮影も終わり、この写真は良い思い出となっている。


 雑誌の三つ折り付録を開いて複写したので、光線にムラがありますがお許しください。
 現状のまま雑誌を保存したいと思いますので。 

by joppa

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