モータースポーツフォトグラファーの楽しみ三昧な写真人生を綴る。

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レース写真で比較するRAW現像ソフト その4 2009年05月03日

 追記
 DPPでの現像結果と比較できるように下の方にチャートを追加しました。
 
 チャートを見ることで、どのような色傾向になるのか、逆にイメージした色にしたいがどの色を調整すれば良いのか...ということが予測がつき、定型の現像パラメータ作成ができます。
 例えば、空の色を深い青にしたいと思えば、どのカードの色のところを調整すれば良いか...数値で把握してデータ(DPPのピクチャースタイル)に反映が可能になります。
 
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 レース写真で比較するカラーチャート(笑)で比較するRAW現像ソフト特性。
 4回目は24色チャートを使ってSilkypixの色彩特性を分析します。

 #やっと4回目。次のSilkypixのヴァージョンがでているけど、
 #色の骨格部の傾向は、変わっていないと...思います^^;
 #参考程度に読んでください。

 Silkypixには、カラーモードと呼ばれる色再現を決定する色彩のベースが備わっている。
 わかり易く(?)言えばキヤノンの現像ソフトDPPのピクチャースタイルのようなものである。
 標準色をはじめとし、モノクロ、記憶色、美肌色、フィルムシミュレーション等数種類が備わっている。
 最初にその中の標準色の基本の色彩特徴をみたい。

■標準色の色彩傾向

 sRGB_std.jpg


  1)赤の色合い(カード1~3)(色相)が、少しマゼンタ方向にズレている。
  2)緑色(カード10~11)が、(私の)記憶色比べてほんの少し黄色方向にズレている。
  3)青緑~青付近(カード12~18)の彩度が、飽和点(彩度100%、それ以上鮮やかにできない状態)に達している。
  4)全体的に濃度、彩度が本来のカードの色と比較して高い。


 3)の青緑付近の彩度が高過ぎることが少々問題か?
 見た目は高いように見えないが、実際はこれ以上は彩度が上がらない。
 Photoshopの色相/彩度コマンドで最高値まで彩度を上げたが、
 他の色のように彩度が上がっていないことからもわかる。(下の写真)

 sRGB_std2.jpg

 このカラーチャートは、sRGBの色域に全色が収まるにも係わらず、
 SilkyPixでは青緑の彩度がsRGBの色域をはみ出している。
 この傾向は、標準色以外のカラーモードでも同様だった。
 AdobeRGBで展開すれば彩度は色域内に収まるが、もともとsRGBで表現が可能なのだから正しい色再現という面では疑問が残る。
 そこで青緑付近を100%以下の数値になるように全体の彩度を調整したが、
 色全体が冴えない色になる。
 また特定色のコントロールができる機能(ファインカラーコントローラ)を使って青緑を下げても(微調整機能なため)十分に下がりきれない。
 色再現は、銀塩時代に各々フィルムに特徴が合ったように様々な再現があって良いと思う。
 だが、まずは基本の色合い(この場合は、sRGB内に収まるように)が再現でき、
 その上での特徴的な色合いが存在するのが良いのではないか。
 上記のことからSilkyPixの色再現を生かすためにはAdobeRGBの色域が必要で、ディスプレイにも同様の再現能力が必要となる。

 (私のフィルムの記憶色と比べ)緑色が僅かに黄色方向に回転している感じだが、これがSlikyカラーだなあ...と言われる所以か?
 ポジフィルムの傾向(特にフジフィルム)として、緑は青青とした感じ。さらに、空の色も深めの青だったと記憶に刷り込まれている(少なくとも私は)。
 これを上手く再現しているのが、フィルムシミュレート5種中の『フィルム調P(フジのプロビアをシミュレートしたものだろう)』ではないか。
 他にはフィルム調Vがあるが、これは癖があって使いずらい。
 個人的な好みから、SilkyPixでの現像はこの『フィルム調P』を使っている。

■フィルム調Pの色彩傾向

 『フィルム調P』をこのカラーチャートで見ると、
  1)全体的に彩度はやや高め。
  2)赤系の色相(色合い)は、ほぼ合っている。
  3)緑は青方向に色合いが回転しており、ポジに近い感じ。
  4)青緑付近の彩度が高い傾向は標準色と同じ。
  5)青の再現もややマゼンタ(マゼンタと言うとマゼンタに被っていると勘違いされるかもしれないので)紫方向に回転しているが、ポジに近い感じの色。

 sRGB_pkai.jpg
 
 『フィルム調P』もそのままでは使いずらいので、以下のように最適化した。
 全体の彩度を下げた。(カラーチャートの色データの彩度に近くなるように)
 次に実際の写真で観察して適度に彩度を調整した(青緑付近の彩度は100%のまま)。
 あとは各色彩をファインカラーコントローラで細かく調整した。

 上記との比較対象として『私が作った』DPPのピクチャースタイルで現像したチャートを掲載する。

 color_c.jpg

 緑の彩度がやや低いが、このチャートでこれくらいでないと緑の諧調がでない。
 青(18番目くらいのカード)は、私が作成したピクチャースタイルを使ってDPPで現像した方がやや深い。
 黄緑(9番目10番目のカード)は、『フィルム調P』より黄色に近いが『Silky標準』ほど黄色くない。私の記憶色から、やや黄色、黄緑を緑の色相方向に僅かに振っている。
 
 複雑に見える内容で面倒で投げ出したくなりますが、知識をつなぐピースを見つけると、さーーっと理解できるようになります。。。それまで苦労しますが。

 Webmaster

 RAW現像の考え方について。

 RAW現像も後処理と考えている人がいるが、私は『後処理』とは考えていない。
 後処理とは、JPEG、TIFFなどの汎用性のあるフォーマットの確定画像を色調整、レタッチすることと考えている。
 撮影後にいろいろ設定を変えられるから後処理だろ。。。という考え方もわからないでもないが、ここでは議論しない。

 カメラにはJPEGで吐き出す処理があるが、代わりにコンピュータにやらせるのが、わたしの現像の考え方である。
 もともと私は『JPEGで撮って出し』派だった。
 撮影前にパラメータを決めてしまう、所謂『レンズ前』が大切と考えているからだ。
 後処理や現像でいじればいいや...という安易な考え方は写真をつまらないものにする。
 もちろん撮影後にトリミングをする、覆い焼きや焼き込みをする等、作品の完成度を上げることは大切で、最初のレンズ前での考え方を、より高みに上げる方法論だと考えているので、上記のような安易な考えとは全く異なる。

 『JPEGで撮って出し』派だったわたしが、なぜRAWを使っているか。。。
 キヤノンに限る話だが、初代EOS 1DからEOS 1DMark2Nに機材を変更したとき、JPEG画像がそれまでとは全然異なり、はっきりしない画像ばかり吐き出した。使えない...そう感じた。そこでRAW(+DPP)、JPEG同時撮影で比較したところ、DPPでの現像結果はシャープ感や解像感(ノイズ感がややあるが、レース写真という分野からさほど気にならない)があって、JPEGをカメラから吐き出した画像とは比べ物にならないものであることがわかった。結局、Macのパワーを増強して今までカメラ内部の処理をコンピュータで一気にやらせることにした。

 写真は、絞りとシャッター速度の組み合わせによる創作だが(ストロボ撮影は、絞りと光量...ガイドナンバー)、デジタルは、その要素の他に色温度とさらに細分化された絞り値により調整や増減感処理が可能になり選択値が増えたことになる。一番素晴らしいと思うのは、中間調の変更(ガンマーカーブ)が可能になった事だろう。ハイライト、シャドーポイントを固定して明るさや調子を変える事ができる...つまり明暗を変更しても白とびやシャドー潰れが起こりにくくなったことだろう。

 ピクチャースタイルをいじり、2種類のピクチャースタイルを完成させた。そして3種類のスタイルを使い分けている。
 常にセットする標準仕様(sRGB)を1つ、AdobeRGB用を1つ、素材用に提供する場合はニュートラルを...という感じで使い分ける。
 コントラストや色合いも私専用のセットと同時に、前記のピクチャースタイルもカメラにセットして撮影する。ピクチャースタイル変更の場合は現像の時に柔軟に対応する。
現像ソフト側に読み込んだとき、そのままか、調整しても色温度をAWBから4700Kから5200Kの範囲で調整と露出補正を+2/3程度して全画像に反映するか(基本その調整込みの前提で撮影している)など、基本ルールで決めておいた事を反映する。
 もちろん夕焼けを印象的に撮影したい時は、色温度をあらかじめ高め(6500K~8000Kくらい)に設定しておくか、現像時にこれくらいにしようとあらかじめ決めて撮影に臨む。
後でじっくり見た時、必要ならトーンカーブの調整(自動調整、もしくはコントラストを調整...自分でポイントを打ってカーブを調整する方法)、色温度の微調整、レンズ補正、ノイズ軽減処理をする。

 こんな感じで現像処理には対峙しています。
 長くなりました...


 ついでに追記しておく...(蛇足だが)現像ソフトが良くなって吐き出される画像も撮影当時より良くなる...という理由でRAWを選ぶ人もいるが、その理由でRAWならちょっとナンセンスだと思う。
 確かに現像ロジックが見直されて場合、(極めて低い可能性だと思うが)その可能性も無くはない。しかしソフト的にいろいろ処理をしても、本質的なハードが生成する画質がきっちりしていないと、所詮ソフト的なごまかしになりかねない。それで満足できれば良いが、細かく見るとトータルでは以前の方が良かった...ということもあり得る。
 私の場合、RAWを選ぶ理由としては『ワンソース、マルチユース』であることが大きい。もっとも一番の理由は、やはりJPEGが全然だめだったことなのだが。。。

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コメント
Re: Re: レース写真で比較するRAW現像ソフト その4
この駄文、長文を読んで頂き感謝です。内容が分析的で退屈。エントリーすることを何度も悩みました。おまけに長過ぎ、わかりにくい。どのように文書を書くか悩みました。だから何度も訂正を入れています。
今回も少し訂正をいれています。それがblog記事の良いところでもありますが...
私の個人的な調査であるこの記事が役に立つなら幸いです。

マクベスチャートというのがあるのですが、購入したはずなのに行方不明。これを加えて実験できれば、さらに(分析的で退屈ではありますが)信頼度は上がったかもしれません。ただ、調査・実験の記事は、退屈で本意ではないので、訪問された方が自然と興味を持たれる記事を書いて行きたいと考えています。NKさんに喜んで(?)頂けただけでもエントリしたかいがありました。これからもよろしくお願いします。
2009/05/25(月) 09:40 | URL | Webmaster #-[ 編集]
Re: レース写真で比較するRAW現像ソフト その4
こんなに深く現像ソフトを研究なさって公表されていることに、深い敬意を表します。メーカーサイドからのデータ?しかなくて、自分自身のモニターがしっかりしてないこともあって、また、紙焼きをしない自分の環境ということもあって、それでもきちんと色を追い込みたいという強い欲求だけはあって、日々、悩んでいるものにとっては、こんなありがたいブログ記事はありません。ありがとう!!!
今、SP の認証関係でラビリンスに入り込んでいます。・・・・??
2009/05/25(月) 05:00 | URL | NK #NkOZRVVI[ 編集]
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Joppaこと鈴木雅雄は、日本レース写真家協会 前会長(第4代会長として18年間JRPAの会長職を担う)。しかしながらその実態は...釣り好きで面倒見の良い『焼酎好きなおっさん』。


そしてブログを管理しているWebgpe.comのWebmasterこと原田祐司は、Joppa師匠の弟子。
ロードレースプレスカメラマンでMac好きな『おにいさん(°°)☆\(--メ)バキッ!
...もとい、おっさん』です。

2人とも鈴鹿サーキットレースフォトグラファー体験講座講師でもあります。

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